3.IFRS

日付 公表元   タイトル 概要
2020年1月30日 IASB 公表 IASBが「負債の流動・非流動の分類」(IAS第1号の修正)を公表 【公表日時】
 IASBは、2020年1月23日、負債の流動・非流動の分類を明確化するために、「負債の流動・非流動の分類」を公表し、IAS第1号「財務諸表の表示」の狭い範囲の修正を公表した。
【改正の内容】
 本修正は、財政状態計算書において、決済日が不確定な負債の流動・非流動の分類についての企業の判断の助けとなり、要件の適用の一貫性を促進することを目的としている。本修正は、企業が資本への転換により決済する可能性がある負債の分類要件の明確化も含んでいる。本修正は、変更ではなく、既存の要件の明確化であるため、企業の財務諸表へ重大な影響を与えることは想定されていない。しかし、本修正により企業は負債を流動から非流動へ再分類する可能性があり、その再分類は、企業の融資特約条項に影響を与える可能性がある。
【適用時期】
 本修正は、2022年1月1日に発効する。また、早期適用が容認されている。
2020年1月10日 IASB 公開草案 IASBが比較可能な利益小計を要求し、「非GAAP」指標の透明性を高めることを提案(公開草案「全般的な表示及び開示」の公表) 【内容】
 IASBは、2019年12月17日、公開草案「全般的な表示及び開示」を公表し、純損益計算書の業績に関する情報に焦点を置いて、情報が財務諸表において伝達される方法を改善することを提案している。IASBは、キャッシュ・フロー計算書及び財政状態計算書への限定的な変更も提案している。本公開草案における提案は、財務報告におけるコミュニケーションの改善に関するIASBの作業の一環である、基本財務諸表プロジェクトの一部としてIASBにより開発された。本公開草案は、業績報告に関するプロジェクトに着手するという利害関係者、特に財務諸表利用者からの強い要望に対応するものである。
【意見募集期限】
 2020年6月30日
2019年10月25日 IASB 公表 IASBが金利指標改革に対応してIFRS基準を修正 【公表日時】
 IASBは、2019年9月26日、「金利指標改革(IFRS第9号「金融商品」、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」、IFRS第7号「金融商品:開示」の修正)」を公表した。
【修正の内容】
 本修正は、銀行間金利(IBORs)などの金利指標の段階的廃止から生じる不確実な期間における企業による有用な財務情報の提供の支援を意図したものである。本修正による主な修正点は下記のとおりである。
・企業が、金利指標改革によってキャッシュ・フローが影響を受けないと仮定してヘッジ会計の要求事項を適用できるように、要求事項を修正し、金利指標改革により生じる不確実性の潜在的な影響からの救済措置を設けた。
・金利指標改革により直接的に影響を受けるすべてのヘッジ関係へ本修正を適用することを必須とし、当該改革から生じるその他の影響に救済措置を提供する意図はない。
・企業のヘッジ関係が、本修正により影響を受ける程度について、開示を要求する。
【適用時期】
 本修正は、2020年1月1日に発効する。また、早期適用が容認されている。
2019年8月20日 IASB 公開草案 IASBが公開草案「IFRS第17号の修正」を公表 【内容】
 IASBは、2019年6月26日、IFRS第17号「保険契約」(2017年5月公表)を導入している間に利害関係者が提起した懸念及び課題に対処するため、IFRS第17号の修正案を公表した。本修正案の目的は、IFRS第17号の導入コストを削減し、企業が本基準を適用する場合の業績の説明をより容易にすることにより、引き続き導入支援を行うことである。
 本公開草案では、主に下記の論点に関する修正が提案されている。
1. 範囲除外-保険契約の定義を満たすクレジットカード契約及び融資契約
・保険契約の定義を満たすクレジットカード契約(特定の要件を満たす場合に限る)をIFRS第17号の範囲から除外する。
・保険契約の定義を満たすが保険事故に対する補償を特定額に限定する融資契約について、IFRS第17号又はIFRS第9号の選択適用を可能とする。
2. 保険契約獲得キャッシュ・フローの予想される回収
・ある保険契約グループに直接起因する契約獲得キャッシュ・フローを、当該グループ及び当該グループの中の契約の更新から生じると見込まれる契約を含むグループに、規則的かつ合理的な基準で配分する。
・保険契約獲得キャッシュ・フローが配分される保険契約グループが認識される前に支払われた当該キャッシュ・フローを、資産として認識する。
・事実及び状況により、保険契約獲得キャッシュ・フローに係る資産が減損していることが示唆される場合、当該資産の回収可能性を評価する。
3. 投資リターン・サービス及び投資関連サービスに帰属する契約上のサービス・マージン
 現行IFRS第17号は、契約上のサービス・マージン(保険契約グループにおける未稼得利益)を、カバー単位に基づいて一定期間にわたり純損益に認識することを要求している。カバー単位の識別に関する以下の修正が提案されている。
・直接連動有配当保険契約以外の契約についてのカバー単位を、保険カバーに追加して、投資リターン・サービスがあればその給付の量及び予想期間を考慮して識別する。
・直接連動有配当保険契約についてのカバー単位を、保険カバーと投資関連サービスの両方の給付の量及び予想期間を考慮して識別する。
4. 保有している再保険契約‐基礎となる保険契約に係る損失の回収
 基礎となる不利な保険契約グループの当初認識時又は当該グループへの不利な契約の追加時に損失を認識する場合、比例的なカバーを提供する保有している再保険契約グループの契約上のサービス・マージンを修正し、その結果として収益(income)を認識することが提案されている。修正及びその結果生じる収益の金額は以下の積で算定される。
・基礎となる保険契約グループに関して認識された損失
・基礎となる契約グループに係る保険金請求の内、保有している再保険契約グループから回収する権利を有している一定割合
5. 財政状態計算書上の表示
 発行した保険契約ポートフォリオの内、資産であるポートフォリオと負債であるポートフォリオの帳簿価額を財政状態計算書で区分して表示することが提案されている。現行IFRS第17号では、保険契約のグループベースで表示される。本修正は、保有している再保険契約のポートフォリオの内、資産であるものと負債であるものにも適用される。
6. リスク軽減オプションの適用可能性
 現行IFRS第17号のリスク軽減オプションは、通常は契約上のサービス・マージンを修正する直接連動有配当保険契約に対する金融リスクの影響の変動の一部又は全部を、純損益に直ちに反映することを認めるものであり、当該金融リスクをデリバティブを使用して軽減し、特定の条件を満たす場合に限り、当該オプションの適用が可能とされている。リスク軽減オプションを拡張し、保有している再保険契約を使用する場合にも適用することが提案されている。
7. IFRS第17号の発効日及びIFRS第4号におけるIFRS第9号「金融商品」の一時的免除
・IFRS第17号の発効日を1年延期し、2022年1月1日以後開始する事業年度とする。
・IFRS第4号「保険契約」の修正により、IFRS第9号の一時的免除を1年延長して、当該免除を適用する企業に2022年1月1日以後開始する事業年度にIFRS第9号を適用することを要求する。
8. 経過的な修正及び救済措置
・修正遡及アプローチの追加的な修正により、保険契約の取得前に発生した保険金の決済に係る負債を、残存カバーに係る負債ではなく、発生保険金に係る負債として分類する。公正価値アプローチを適用する場合、当該負債を、発生保険金に係る負債として分類することを選択可能とする。
・リスク軽減オプションを、適用開始日からではなく、移行日から将来に向かって適用することを認める。当該オプションを移行日以後に将来に向かって適用するためには、リスク軽減関係を移行日以前に指定することが必要となる。
・IFRS第17号を保険契約グループに遡及適用することができる場合で、リスク軽減に関する所定の要件を満たす場合、代わりに公正価値アプローチを当該グループに適用することを認める。
【意見募集期限】
 2019年9月25日(意見募集終了)
2019年8月20日 IASB 公開草案 IASBが公開草案「概念フレームワークへの参照」(IFRS第3号の修正案)を公表 【内容】
 IASBは、2019年5月30日、公開草案「概念フレームワークへの参照」を公表し、IFRS第3号「企業結合」の狭い範囲の修正を提案した。
 本公開草案は、現行のIFRS第3号の会計処理の要求事項を大きく変更することなく、2018年版概念フレームワークを参照するために、IFRS第3号における下記3か所の修正を提案している。
1. IFRS第3号の参照する概念フレームワークの変更(1989年版フレームワークから2018年版概念フレームワークへ)
 現在、IFRS第3号の認識原則は、企業結合で認識される資産及び負債が1989年版フレームワークにおける資産及び負債の定義を満たすことを要求しているが、2018年版概念フレームワークへの参照に置き換えることが提案されている。
2. IFRS第3号における認識原則に関する例外の設定
 2018年概念フレームワークの資産及び負債の定義は1989年版のものとは異なる。企業結合で認識される資産又は負債の一部は、取得日後、他の該当するIFRS基準を適用する場合、認識の要件を満たさない可能性がある。したがって、取得企業は、企業結合時に当該資産又は負債をまず認識し、その後、直ちに認識を中止することになる。その結果生じる「2日目」の損失又は利得は、経済的な損失又は利得を描写しないし、取得企業の財務業績のいかなる側面も忠実に表現することにはならない。
 2日目の損失又は利得の問題は、取得日後にIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」又はIFRIC解釈指針第21号「賦課金」を適用して会計処理される負債に関してのみ実務で重大になるであろうとIASBは結論付けた。
 この問題が生じるのを避けるため、IFRS第3号における認識原則に対する例外を追加することが提案されている。別個に発生する場合にIAS第37号又はIFRIC第21号の適用対象となる負債及び偶発負債に関して、取得企業は、企業結合で引き受けた義務を識別するため、2018年版概念フレームワークの代わりに、IAS第37号又はIFRIC第21号をそれぞれ適用しなければならない。この例外を適用することで、企業結合で認識される負債及び偶発負債は、現在IFRS第3号を適用して認識されるものと同じとなる。
3. 偶発資産を認識できないことに関する記述の明確化
 IFRS基準は、偶発資産を、その存在が将来の不確実な事象によってのみ確認される発生し得る資産と定義している。IFRS第3号は、取得企業が偶発資産を認識することを禁止しているが、この禁止は、基準に付随する結論の背景にのみ明記されている。この要求事項を明確化し、概念フレームワークの参照先を更新することに伴い、その要求事項の取扱いについても変更が生じるのではないかという疑念に対応するため、取得企業は企業結合で取得される偶発資産を認識してはならないという明示的な記述をIFRS第3号に追加することが提案されている。
【意見募集期限】
 2019年9月27日(意見募集終了)
2019年8月6日 IASB 公開草案 IASBが公開草案「会計方針の開示」(IAS第1号及びIFRS実務記述書第2号の修正案)を公表 【内容】
 IASBが2017年3月に公表したディスカッション・ペーパー「開示に関する取組み-開示原則」のフィードバックでは、重要な会計方針の非効果的な開示の主な原因は、重要性(materiality)の概念を適用することの難しさにあることが示唆された。このフィードバックは財務諸表利用者を含む利害関係者からのものであり、その多くは、IASBが開発する会計方針の開示に関する要求事項の基礎は、重要性(materiality)でなければならないことに同意した。回答者は、会計方針に重要性があるかを決定する方法に関するガイダンスをIASBが開発するならば、有用であると考えた。
 IAS第1号「財務諸表の表示」は、企業に「重要な(significant)」会計方針を開示することを要求しているが、「重要な(significant)」は定義されていない。IASBは会計方針の開示の文脈で「重要な(significant)」の定義を開発することを検討したが、「重要な(significant)」という用語がIFRS基準において他にも使用されていることに意図せざる帰結をもたらし得ると結論付けた。
 本修正案は、企業に重要な(significant)会計方針ではなく、重要性がある(material)会計方針を要求する形にIAS第1号の文言を修正することを提案している。会計方針に関する情報は、企業の財務諸表に含まれる他の情報と共に考える場合、財務諸表利用者が当該財務諸表を基礎として行う意思決定に影響を及ぼすと合理的に予想し得る場合には、重要性があるとされている。
 修正案によるIAS第1号の主な修正点は下記のとおりである。
 
 企業に、「重要な(significant)」会計方針ではなく、「重要性のある(material)」会計方針の開示を要求(第117項)
どのように企業が重要性のある(material)会計方針を識別するかについて説明を追加(例えば、重要な取引、他の事象又は状況に関連する会計方針のすべてがそれ自体では重要ではないことを明確化)(第117A項-117D項)
 
 また、IFRS実務記述書第2号においては、4ステップの重要性プロセスを会計方針の開示を適用するために役立つガイダンス及び設例の追加が提案されている。当ガイダンス及び設例は、財務諸表利用者にとって有用な情報に焦点を当てるニーズを強調すること、また、4ステップの重要性プロセスを、財務諸表にとって重要な会計方針に関する紋切り型(boilerplate)の開示(設例S参照)、IFRS基準の要求事項を繰り返す情報だけを含む会計方針の開示(設例T参照)にいかに対処できるかを実証することなどによって、IAS第1号修正案を支援している。
【意見募集期限】
 2019年11月29日(意見募集終了)
2019年8月2日 IASB 公開草案 IASBが、公開草案「単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金」(IAS第12号の修正案)を公表 【内容】
 企業は、資産及び負債の両方を認識することにより、取引を会計処理する場合がある。例えば、IFRS第16号「リース」の適用により、リース開始日に資産及び負債を認識する。同様に、IAS第16号「有形固定資産」及びIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」の適用により、廃棄義務を当初認識する場合、資産及び負債を認識する。当該取引により、一時差異が生じる場合がある。IAS第12号の一般原則は、すべての一時差異について繰延税金を認識することを要求するが、特定の状況(企業結合ではない取引、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えない取引)では、資産又は負債の当初認識から生じる繰延税金を認識することを禁止している(認識の免除)。
 IFRS解釈指針委員会は、リースや廃棄義務のような項目に係る繰延税金の認識が要求されるのかという質問を受けた。検討の結果、解釈指針委員会は、認識の免除の適用を狭めて当該取引に適用されないように、IAS第12号を修正することをIASBに推奨した。IASBは解釈指針委員会の推奨に同意した。
 修正案によると、IAS第12号の認識の免除は、リースや廃棄義務のように資産及び負債の両方を認識する取引には適用されないことになり、当該取引に関する繰延税金を認識する結果となる。具体的には、認識が免除される状況として、「取引時に、同額の将来加算一時差異及び将来減算一時差異が生じない取引」が追加されている。
【意見募集期限】
 2019年11月14日(意見募集終了)
2019年5月10日 IASB 公開草案 IASBが、公開草案「金利指標改革」(IFRS第9号及びIAS第39号の修正案)を公表 【内容】 
 IASBは、2019年5月3日、銀行間金利(IBORs)などの金利指標改革に関する不確実性のみを理由としてヘッジ会計の中止を生じさせる可能性のあった特定のヘッジ会計の要求事項からの救済措置を提供するために、公開草案「金利指標改革」を公表し、IFRS第9号「金融商品」及びIAS第39号「金融商品:認識及び測定」の修正を提案した。
 IFRS基準は、ヘッジ会計適用のため、将来予測的な情報を用いることを要求している。金利指標改革が行われている間は、現行の金利指標がいつ、どのような金利に置き換えられるのかに関して不確実性が存在する。修正案を適用しなければ、この不確実性により、企業が将来予測的な評価を行う能力への改革の影響のみを理由として、企業がヘッジ会計を中止しなければならなくなる可能性があり、これは、投資家にとって財務諸表における情報の有用性の低下につながる可能性がある。
 本公開草案により提案された主な修正点は、下記のとおりである。
・ヘッジ対象のキャッシュ・フロー及びヘッジ手段のキャッシュ・フローの基礎となる金利指標が、金利指標改革の結果として変更されないと仮定して、企業がヘッジ会計の要求事項を適用できるように特定のヘッジ会計の要求事項を修正する。本修正案は、公開草案に明記されたヘッジ会計の要件のみを修正し、金利指標改革から生じる他の影響について救済措置を提供することを意図したものではない。さらに、ヘッジ関係が公開草案で規定されている以外の理由でヘッジ会計の要求事項を満たさなくなった場合には、依然としてヘッジ会計の中止が要求される。
・企業のヘッジ関係が、修正案によってどの程度影響を受けるかについて、具体的な開示を要求する。
・例外措置は強制とする。
 IASBは、改革から生じる会計上の影響を2段階で検討している。本修正案は、金利指標の置換えまでの期間における不確実性の影響に関するもので、置換えに関してより多くの情報が利用可能となった時に、IASBは、改革による潜在的な会計上の影響を評価し、追加の対応を取るべきか否かを決定する。
 本公開草案は、修正を2020年1月1日以降に始まる年度に遡及的に適用し、早期適用が認められることを提案している。
【意見募集期限】
 2019年6月17日(意見募集終了)
2018年12月27日 IASB 公開草案 IASBが、不利な契約に関してIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」の修正案を公表 【内容】 
 IASBは、2018年12月13日、公開草案「不利な契約-契約履行コスト」(IAS第37号の修正案)を公表した。企業が、契約に損失が生じるかどうかを評価する際に、どのコストを含めるべきかを定めるものである。
 IAS第37号は、不利な契約を、「契約による義務を履行するための不可避的なコストが、当該契約により受け取ると見込まれる経済的便益を上回る契約」と定義している。さらに、契約による不可避的なコストは、契約から解放されるための最小の正味コストを反映し、契約コストと契約不履行により発生する補償又は違約金のいずれか低い方とされている。しかし、IAS第37号は、契約履行コストを決める際にどのコストを含めるべきかを定めていない。
 IFRS解釈指針委員会には以前より、「契約履行コストを決める際にどのコストを含めるべきか」について明確化を求める要望があった。従前、IAS第11号「工事契約」には、不利な工事契約に係る要求事項が含まれていたが、今やIAS第11号は廃止され、2018年1月1日以後開始する年次報告期間より、契約が不利であるかを評価するためにIAS第37号を適用する。
 IFRS解釈指針委員会の調査によると、いくつかの契約において、IAS第37号の不利な契約の要件の解釈が分かれるケースが見られた。その結果、IFRS解釈指針委員会は、評価をする際にどのコストを含めるべきかについて明確化するようIASBに要望し、本修正案の公表となった。
 本修正案による不利な契約に関する主な修正点は、下記のとおりである。
・「契約履行コストは、契約に直接関連するコストから成る」とIAS第37号68項に追記
・財またはサービスを提供する契約に直接関連するコストの例、契約に直接関連しないコストの例をIAS第37号68A項、68B項に下記のように追記
IAS第37号
68A項 財またはサービスを提供する契約に直接関連するコストは、下記を含む。
(a)直接労務費(例えば、財の製造及び引渡し、またはサービスの相手方への直接提供に携わった従業員の給料・賃金)
(b)直接材料費(例えば、契約履行に使用された消耗品)
(c)契約活動に直接関連するコストの配分額(例えば、契約管理・監督のコスト、保険料、契約履行のために使用された工具・設備・使用権資産の減価償却費)
(d)契約上、明示的に相手方に請求可能なコスト
(e)企業が契約を締結したことだけが原因で発生したその他のコスト(例えば、外注先への支払)
68B項 一般管理費は、契約上、明示的に相手方に請求可能でない限り、契約に直接関連しないコストである。
 本修正案は、IASBが不利な契約に関する情報の開示を新たに要求するものではない。
 また、本修正を最初に適用する事業年度の期首(適用開始日)に存在する契約に当該修正案を適用しなければならない。比較情報を修正再表示してはならない代わりに、適用開始日における利益剰余金期首残高(または、適切な場合には他の資本項目)への修正として、本修正を初めて適用する累積的影響を認識しなければならない。
【意見募集期限】
 2019年4月15日(意見募集終了)
2018年11月9日 IASB 公表 IASBが「重要性がある」の定義の修正(IAS第1号及びIAS第8号の修正)を公表 【修正の内容】
 IASBは、2018年10月31日、企業が情報に財務諸表に含めるべき重要性があるか否かの判断をより容易に行うことができるように「重要性がある」の定義の修正を公表した。本定義の修正により、IAS第1号「財務諸表の表示」及びIAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」が修正されている。
 本修正による「重要性がある」の定義の修正は下記のとおりである。
(従前の定義)
 項目の脱漏又は誤表示は、利用者が財務諸表を基礎として行う経済的意思決定に、単独で又は総体として影響を与える可能性がある場合には、重要性がある。
(新しい定義)
 情報は、それを脱漏したり誤表示したり覆い隠したりしたときに、特定の報告企業の財務情報を提供する一般目的財務諸表の主要な利用者が当該財務諸表に基づいて行う意思決定に影響を与えると合理的に予想し得る場合には、重要性がある。
 定義における主な修正点は、下記のとおりである。
(1)従前の定義では、「影響を与える可能性がある場合(could influence)」とされていたが、当該閾値が低すぎて余りにも広く適用される可能性があるとの懸念から、新しい定義では、IAS第1号第7項における現行の説明を組み込んで、「影響を与えると合理的に予想し得る場合(could reasonably be expected to influence)」に変更されている。
(2)IAS第1号及び第8号の定義よりも明確であるとして、概念フレームワークにおける重要性の定義の文言を用いている(ただし、基準の対象と整合させるため、「財務報告」ではなく「財務諸表」に言及)。さらに、従前の定義では、「利用者」に言及されていたが、余りにも広範囲に解釈される可能性があるとの懸念から、新しい定義では、概念フレームワークで用いられている「一般目的財務諸表の主要な利用者」に変更されている。
(3)従前の定義では、「脱漏」、「誤表示」といった用語のみが用いられていたが、それに追加して、重要でない情報を含めることの影響も考慮すべきとの懸念から、新しい定義では、IAS第1号第30A項における現行の概念を組み込んで、「覆い隠す(obscuring)」という用語が追加されている。
 なお、定義において 'could'を 'would'に置き換えることで、情報に重要性がある閾値を上げるべきとの意見があったが、IASBは、'would'を用いることで意図せざる帰結がもたらされる実質的な変更になるとして、そのような変更は行わなかった。
 「重要性がある」の新しい定義及び定義に付属する説明は、IAS第1号に含まれ、IAS第8号における定義はIAS第1号を参照する形に変更されている。
【適用時期】
 本変更は、2020年1月1日に発効される。また、早期適用が容認されている。
2018年5月8日 IASB 公表 IASBが概念フレームワークの改訂を完了 【改訂の内容】
 今回の改訂は、測定及び認識の中止、表示及び開示に関する新しいガイダンスの追加だけではなく、資産及び負債の定義の改訂、重要な領域における明確化(財務報告における受託責任、慎重性及び測定の不確実性の役割など)が含まれる。改訂された「概念フレームワーク」は、2004年のプロジェクトの開始当初に作成された内容を大幅に改訂するものではなく、「概念フレームワーク」でまだ取り扱われていない論点、また、対応が必要な明らかな欠点の解消に焦点を当てるものである。
【適用時期】
 IASBは、改訂「概念フレームワーク」の使用を直ちに開始する一方、企業は2020年から使用することになる。
2018年2月14日 IASB 公表 IASBが、年金会計に関する狭い範囲の修正を公表 【修正の内容】
 「制度改訂、縮小または清算(IAS第19号の修正)」は、確定給付年金制度に変更が生じた時に、企業はどのように年金費用を決定するのかについて明確にしている。IAS第19号「従業員給付」は、確定給付制度をどのように会計処理するかについて規定しており、制度変更(制度改訂、縮小または清算)が生じた時、企業に確定給付負債又は資産の再測定を要求している。本修正は、制度変更後の残りの報告期間に係る当期勤務費用及び利息純額を決定するため、再測定で用いた更新された仮定を使用することを要求している。これまで、IAS第19号は、制度変更後の報告期間に係るそれらの費用をどのように決定するのかについて、明確にしていなかった。更新された仮定の使用が要求されることにより、本修正は財務諸表の利用者に有用な情報を提供することが期待される。
【適用時期】
 本修正の発効日は2019年1月1日であり、早期適用が容認されている。
2018年1月16日 IASB 公表 IFRS第9号及びIFRS第15号が発効 【内容】
  IFRS第9号は、2014年に公表され、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」に置き換わる基準であり、分類・測定、減損、ヘッジ会計の3つから成る。IFRS第9号による最も大きな変更は、銀行による貸付損失の会計処理です。IFRS第15号も、2014年に公表され、IAS第18号「収益」及びIAS第11号「工事契約」に置き換わる基準である。IFRS第15号は、企業が、いつ、どれだけ収益を認識するかについて、また、企業が財務諸表において開示すべき収益の情報について、明示している。
【適用時期】
 2018年1月1日以後開始する報告期間から適用される。
2017年10月20日 金融庁 公表 金融庁が指定国際会計基準と修正国際基準の改正を公表 【改正の内容】
 金融庁は、2017年9月28日、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件(平成21年金融庁告示第69号)」の、一部改正を公表した。
 IASBが2017年6月30日までに公表した次の国際会計基準が、連結財務諸表規則第93条に規定する指定国際会計基準及び指定国際会計基準に含まれる解釈指針として追加された。
・IFRS第17号「保険契約」(2017年5月18日公表)
・IFRIC解釈指針第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」(2017年6月7日公表)
 ASBJが2017年6月30日までに公表した次の修正国際基準が、連結財務諸表規則第94条に規定する修正国際基準として追加された。
・修正国際基準の適用(2017年4月11日公表)
【適用時期】
 本改正は、2017年9月28日から適用される。
2017年10月17日 IASB 公表 IASBが「関連会社及び共同支配企業に対する長期の持分」(IAS第28号の修正)を公表 【内容】
 IASBは、2017年10月12日、「関連会社及び共同支配企業に対する長期の持分」(IAS第28号の修正)を公表した。本修正基準は、IFRS第9号「金融商品」(減損の要求事項を含む)を関連会社及び共同支配企業に対する長期の持分(関連会社又は共同支配企業に対する純投資の一部を実質的に構成するが、持分法を適用していない場合)に適用することを明確化するものである。
 本修正基準の発効日は、2019年1月1日以後開始する事業年度で、IFRS第9号の発効日の1年後となる。早期適用が認められ、IFRS第9号と同時に適用することも可能である。
2017年10月17日 IASB 公表 IASBが「負の補償を伴う期限前償還要素」(IFRS第9号の修正)を公表 【内容】
 IASBが公開草案「負の補償を伴う期限前償還要素」(IFRS第9号の修正案)について公表を参照
2017年9月20日 IASB 公表 IASBが実務記述書第2号「重要性の判断実施」を公表 【内容】
 IASBは、2017年9月14日、実務記述書第2号「重要性の判断実施」を公表した。本実務記述書は、IFRS基準における重要性の要件について、企業が情報に重要性があるか否か判断する際の有用な実務的ガイダンス及び設例を追加提供するものである。本実務記述書は、強制ではなく、また、既存の要件を変更、新しい要件を追加する内容ではない。
【適用時期】
 本実務記述書には発効日はなく、直ちに適用することが可能である。
2017年9月20日 IASB 公開草案 IASBが公開草案「重要性の定義」(IAS第1号及び第8号の修正案)を公表 【内容】
 IASBは、2017年9月14日、公開草案「重要性の定義」(IAS第1号と第8号の修正案)を公表した。本公開草案では、「重要性がある」の定義を明確化することを目的として、IAS第1号「財務諸表の表示」及び第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」の微修正が提案されている。
 本公開草案による提案の結果、IAS第1号及びIAS第8号における「重要性がある」の定義が変更された場合は、IASBは重要性に関する実務記述書及び近く予定されている修正概念フレームワークを修正する予定である。
【意見募集期限】
 2018年1月15日(意見募集終了)
2017年9月15日 IASB 公開草案 IASBが公開草案「会計方針及び会計上の見積り」(IAS第8号の修正案)を公表 【内容】
 IASBは、2017年9月12日、公開草案「会計方針及び会計上の見積り」(IAS第8号の修正案)を公表した。
 IAS第8号「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」については、実務において会計方針と会計上の見積りの区別における企業の解釈、判断が分かれるケースが多く見受けられた。本公開草案は、当該状況を改善するために、会計方針と会計上の見積りに関する基準を明確化することを目的としている。
 また、IASBはIAS第8号の適用ガイダンスの設例3-「遡及適用が実務上可能でない場合の会計方針の変更の将来に向けての適用」の削除も提案している。
【意見募集期限】
 2018年1月15日(意見募集終了)
2017年6月28日 IASB 公開草案 IASBが公開草案「有形固定資産―意図した稼働前の収入(IAS第16号の修正案)」を公表 【内容】
 IASBは、2017年6月20日、公開草案「有形固定資産―意図した稼働前の収入(IAS第16号の修正案)」を公表した。本公開草案は、IAS第16号の適用上のばらつきを減らすための狭い範囲の修正である。
 本修正案は、有形固定資産項目を経営者が意図した方法で稼働可能とするために必要な場所及び状態にする間に生産した物品の販売収入を、当該項目の取得原価から控除することを禁止している。代わりに、企業は当該項目の販売収入と生産コストを純損益で認識することになる。
【意見募集期限】
 2017年10月19日(意見募集終了)
2017年6月23日 IASB 修正の
提案
IASBが実務の不統一を減らすためのIAS第16号の修正を提案 【内容】
 IASBは本日、適用の不統一を減らすためのIAS第16号「有形固定資産」の狭い範囲の修正を提案した。
 IAS第16号は、有形固定資産の資産としての認識及び測定に関する原則を定めている。本修正案は、有形固定資産を使用可能にしようとしている間の販売収入を当該有形固定資産項目の取得原価から控除することを禁止するものである。その代わりに、企業はそれらの販売収入及び関連するコストを純損益に認識することになる。
 本修正案は、試運転の収入とコストの会計処理に関してのIFRS解釈指針委員会の議論を受けて出されている。
【意見募集期限】
 2017年10月19日(意見募集終了)
2017年6月20日 IASB 公表 IASBがIFRIC第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」を公表 【内容】
 IASBは、2017年6月7日、IFRIC第23号「法人所得税務処理に関する不確実性」を公表した。本解釈指針は、IAS第12号における要求事項に追加されるもので、法人所得税の会計処理に不確実性を反映する方法を定めている。
【適用時期】
 本解釈指針の発効日は2019年1月1日である。
2017年6月9日 IASB 公表 IASBが情報要請「適用後レビュー‐IFRS第13号『公正価値測定』」を公表 【内容】
 IASBは、2017年5月25日、情報要請「適用後レビュー‐IFRS第13号『公正価値測定』」を公表した。当該情報要請は、IFRS第13号の適用後レビューの一環であり、フェーズ1の初期評価の際に識別された事項について、フェーズ2でさらなる評価を行うことを目的としている。
【意見募集期限】
 2017年9月22日(意見募集終了)
2017年5月19日 IASB 公表 IASBが保険会計の根本的な見直しを最終確定 【内容】
 IFRS第17号は、2004年に暫定基準として導入されたIFRS第4号を置き換えるものである。IFRS第4号は、保険契約の会計処理を各国の会計基準を用いて行う許可を企業に与えており、これにより多数の異なるアプローチを生じさせていた。その結果、他の点では同様の企業の財務業績を投資者が比較対照することが困難になっている。金融安定理事会は2015年9月に、当審議会がIFRS第4号を新基準に置き換えるプロジェクトを完了することが重要であると述べていた。IFRS第17号は、すべての保険契約を首尾一貫した方法で会計処理することを要求することによって、IFRS第4号が生じさせていた比較上の問題点を解決しており、投資者と保険会社の両方に便益を与えており、保険債務は歴史的原価ではなく現在価額を用いて会計処理されることになる。情報が定期的に更新され、より有用な情報を財務諸表利用者に提供することになる。
【適用時期】
 IFRS第17号の発効日が2021年1月1日であるが、早期適用することができる。
2017年4月4日 IASB 公開草案 IASBが公開草案「負の補償を伴う期限前償還要素」(IFRS第9号の修正案)を公表 【改正の内容】
 本公開草案では、「負の補償」を伴う期限前償還可能な金融資産が償却原価又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定することが適格となるように、IFRS第9号の狭い範囲の修正が提案されている。 本公開草案の提案の範囲は狭く、かつ至急を要することから、デュープロセス監視委員会の承認を得て、IASBは本公開草案に関するコメント期間を30日に設定してしている。
【意見募集期限】
 2017年5月24日(意見募集終了)
2017年4月4日 IASB 公開草案 IASBが公開草案『IFRS第8号「事業セグメント」の改善』(IFRS第8号及びIAS第34号の修正案)を公表 【改正の内容】
 本公開草案は、IFRS第8号の適用後レビュー(PIR)の結果を受けたもので、PIRにおいて、IFRS第8号が総じて意図された通りに機能していることが確認されたものの、一部の領域に関しては改善が必要であることが識別された。本公開草案における改善案には以下の修正が含まれている。
・2つの事業セグメントを集約することができる前に、満たさなければならない集約の要件を明確化し強調すること。
・最高経営意思決定者の機能を遂行する人物又はグループの肩書き及び役割の開示を企業に要求すること。
・財務諸表のセグメントが年次報告書や付随する文書の他の箇所で報告されるセグメントと異なる場合、財務諸表の注記で情報を提供することを企業に要求すること。
IASBはIAS第34号「期中財務報告」を修正し、過去の期中報告期間に係る修正再表示後のセグメント情報を、現在よりも早く提供することを、セグメントを変更する企業に要求することも提案している。
【意見募集期限】
 2017年7月31日
2017年1月16日 IASB 公表 IASBが公開草案「IFRSの年次改善 2015-2017年サイクル」を公表 【内容】
 IASBは、2017年1月12日、公開草案「IFRSの年次改善 2015-2017年サイクル」を公表した。これは基準を明確化する軽微な修正であり、修正される基準及び修正案の概要は以下のとおりである。
① IAS第12号「法人所得税」
 資本に分類される金融商品に係る支払の法人所得税への影響
 配当の法人所得税への影響に係る要求事項(IAS第12号52B項)は、IAS第12号52A項で記述される状況(分配利益と未分配利益に異なる税率がある場合)だけでなく、すべての配当(例えば、支払が利益の分配である場合の資本に分類される金融商品に係るすべての支払)の法人所得税への影響に適用されることを明確化することが提案されている。
② IAS第23号「借入コスト」
 資産化に適格な借入コスト
 IAS第23号は、一般目的で資金を借り入れ、適格資産を取得するためにそれを使用する場合、資産化に適格な借入コストの金額の算定方法を規定している。
意図した使用又は販売のために適格資産の準備ができた場合、当該適格資産の取得のために特別に行った借入金残高を、一般目的で借り入れた資金の一部として取扱うことを明確化することが提案されている。
③ IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」
 関係会社又は共同支配企業に対する長期の持分
IFRS第9号「金融商品」(減損の要求事項を含む)を、関連会社又は共同支配企業に対する長期の持分(関連会社又は共同支配企業に対する純投資の一部を実質的に構成するが、持分法を適用していない)に適用することを明確化することが提案されている。
【意見募集期限】
 2017年4月12日(意見募集終了)
2016年12月16日 ASBJ   我が国におけるIFRS適用上の課題 【内容】
 リスク分担型企業年金のIFRS上の会計処理について企業会計基準委員会において検討すべきとの意見が寄せられていることを踏まえ、これをIFRS適用課題対応専門委員会においてIFRSの適用上の課題として扱うテーマとするかどうかについての企業会計基準委員会の分析を示すことを目的としている。
2016年12月9日 IASB 公表 IASBがIFRS基準の軽微な変更を公表 【内容】
  IASBは、2016年12月8日、①「IFRS基準の年次改善 2014-2016年サイクル」、②IFRIC第22号「外貨建取引と前払・前受対価」、③IAS第40号「投資不動産」の修正を公表した。
 ①に関しては、基準の明確化、訂正又は不要な文言の削除を行う軽微な修正であり、修正された基準及び発効日は以下のとおりである。
 (イ)IFRS第12号「他の企業への関与の開示」(発効日: 2017年1月1日)
 (ロ)IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(発効日: 2018年1月1日)
 (ハ)IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」(発効日:2018年1月1日)
 ②に関しては、外貨での前払対価又は前受対価を伴う取引において使用すべき為替レートを扱うものであり、2018年1月1日に発効する。
 ③に関しては、 投資不動産への振替及び投資不動産からの振替に関する要求事項を明確化するものであり、2018年1月1日に発効する。
2016年12月8日 金融庁 公表 金融庁が指定国際会計基準と修正国際基準の改正を公表
【改正の内容】
 金融庁は、2016年12月2日、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件(平成21年金融庁告示第69号)」の、一部改正を公表した。
本改正により、IASBが2016年1月1日から6月30日までに公表した次の国際会計基準が、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第93条に規定する指定国際会計基準として追加された。
・IFRS第16号「リース」(2016年1月13日公表)
・IAS第12号「法人所得税」(2016年1月19日公表)
・IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」(2016年1月29日公表)
・IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(2016年4月12日公表)
・IFRS第2号「株式に基づく報酬」(2016年6月20日公表)
また、企業会計基準委員会が2015年7月1日から2016年7月31日までに公表した次の修正国際基準が、連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第94条に規定する修正国際基準として追加された。
・修正国際基準の適用(2016年7月25日公表)
・ASBJによる修正会計基準第2号「その他の包括利益の会計処理」(2016年7月25日公表)
【適用時期】
本改正は、2016年12月2日から適用される。
2016年9月13日 IASB 公表 IASBがIFRS第4号「保険契約」の修正を公表 【内容】
 本修正は、既存のIFRS第4号に置き換わる基準(現在開発中の新保険契約基準)を適用する前に、新金融商品基準(IFRS第9号「金融商品」)を適用することへの懸念(報告される業績における一時的なボラティリティなど)に対応するものである。本修正では、上書きアプローチと繰延アプローチの2つのアプローチを導入している。
・上書きアプローチでは、保険契約を発行するすべての企業に対して、新保険契約基準の公表前にIFRS第9号を適用する場合に生じ得るボラティリティを、純損益ではなく、その他の包括利益で認識する選択肢を与えている。
・繰延アプローチでは、自らの支配的活動が保険に関連する企業に対して、IFRS第9号の適用を2021年まで一時的に免除する選択肢を与えている。そのため、IFRS第9号の適用を繰り延べる企業は、引き続き、既存の金融商品基準(IAS第39号「金融商品:認識及び測定」)を適用することになる。
2016年7月25日 ASBJ コメントの内容と対応 修正国際基準公開草案第2号「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の改正案の主なコメントの概要とそれらに対する対応 【コメントの内容と対応】
 「修正国際基準公開草案第2号「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の改正案(2016年3月17日公表)」に対して募集していた意見に対する主なコメントとそれらに対する対応策が公表された。
2016年7月25日 ASBJ 公表 改正「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の公表 【内容】
 企業会計基準委員会 は、2015 年6月30 日に「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」(以下「修正国際基準」という。)を公表した。これは、2012 年12 月31 日までにIASBにより公表された会計基準及び解釈指針(以下、会計基準及び解釈指針を合わせて「会計基準等」という。)についてエンドースメント手続を行い、公表したものである。
 その後、企業会計基準委員会では、2013 年中にIASB により公表された会計基準等をエンドースメント手続の対象として検討を行い、今般、2016 年7月25 日に開催した第341 回企業会計基準委員会において、標記の改正「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の公表を承認したので、本日公表した。
2016年7月12日 金融庁 公開草案 金融庁が「国際会計基準に基づく四半期連結財務諸表の開示例」を公表 【内容】
 金融庁は、 2016年7月8日、IFRSに基づく四半期連結財務諸表の開示例を公表した。本開示例は、2015年6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」を受けて、IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたって企業の実務の参考となるものを示す観点から、IFRS適用企業の実際の開示例や最近のIFRSの改訂も踏まえ、2010年4月に公表した四半期開示例を改訂したものである。年度開示例は、2016年3月31日に改訂されている。
【意見募集期限】 
 2016年9月30日(意見募集終了)
2016年7月12日 IASB 公開草案 IASBが公開草案「事業の定義及び従来保有していた持分の会計処理」(IFRS第3号及びIFRS第11号の修正案)を公表 【内容】
 IASBは、2016年6月28日、公開草案「事業の定義及び従来保有していた持分の会計処理」(IFRS第3号及びIFRS第11号の修正案)を公表した。これは、事業の定義と、従来保有していた持分の会計処理方法の両方を明確化するものである。
【意見募集期限】
 2016年10月31日(意見募集終了)
2016年6月22日 IASB 公表 IASBが「株式に基づく報酬取引の分類及び測定(IFRS第2号の修正)」を公表
【内容】
 IASBは、2016年6月20日、「株式に基づく報酬取引の分類と測定(IFRS第2号の修正)」を公表し、特定の種類の株式に基づく報酬取引に係る会計処理を明確化した。
 本修正基準は、IFRS解釈指針委員会を通じて開発され、以下の会計処理に関する要求事項を提供している。

・権利確定条件や権利確定条件以外の条件が現金決済型の株式に基づく報酬の測定に与える影響
・源泉徴収義務に係る純額決済の要素を有する株式に基づく報酬取引
・株式に基づく報酬取引の分類を現金決済型から持分決済型に変更する条件変更
【適用時期】
 本修正基準は、2018年1月1日以後に開始する事業年度から適用され、早期適用が認められる。
2016年4月13日 ㈱東京証券取引所 公表 東証が「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示分析のアップデートを公表 【内容】
 ㈱東京証券取引所は、2016年4月13日、2015年3月から12月決算会社までの「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容について分析を行い、その内容を公表した。これは、2015年9月に公表した資料をアップデートしたものである。
2016年4月12日 IASB 公表 IASBがIFRS第15号の明確化に係る修正を公表 【内容】
 IASBは、2016年4月12日、『IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の明確化』を公表した。本修正の目的は、IFRS第15号における原則の適用方法を明確にすることであり、本基準の基礎となる原則を変更することではない。
 IASBとFASB(以下、両審議会)は、2014年5月にそれぞれ新収益認識基準を公表して以降、共同の移行リソース・グループ(TRG)を設置し、適用上の問題を議論してきた。TRGでの5つの論点に関する議論のなかで、要求事項への適用方法の異なる見解が示されたため、両審議会で検討が行われてきた。
 今回IASBは、以下の3つの論点について明確化を行った。
・履行義務の識別
・本人か代理人かの判断
・ライセンス
 なお、他の論点(回収可能性、現金以外の対価の測定)については、IASBは修正不要と結論付けている。
また両審議会は、関係者からいくつかの実務上の対応の要請を受けており、IASBは、これに対応するものとして、変更した契約と完了した契約に関して、移行上の救済措置を提供している。
本修正の発効日は、修正前の基準と同様に、2018年1月1日となる。
2016年3月31日 金融庁 公表 金融庁が「IFRSに基づく連結財務諸表の開示例」を公表 【内容】
 金融庁は、 2016年3月31日、国際会計基準(IFRS)に基づく連結財務諸表の開示例を公表しました。本開示例は、2015年6月30日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2015」を受けて、IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたって企業の実務の参考となるものを示す観点から、IFRS適用企業の実際の開示例や最近のIFRSの改訂も踏まえ、2009年12月に公表した開示例を改訂したものである。
 なお、金融庁は、開示例の検討に活用するため、本開示例に対する意見を2016年9月30日まで募集している。
2016年3月17日 ASBJ 公表 修正国際基準公開草案第2号「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の改正案の公表
【内容】
 ASBJは、2015年6月30日に「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」(以下「修正国際基準」という。)を公表した。これは、2012年12月31日までにIASBにより公表された会計基準及び解釈指針(以下、会計基準及び解釈指針を合わせて「会計基準等」という。)についてエンドースメント手続を行い、公表したものである。
 その後、ASBJでは、2013年中にIASBにより公表された会計基準等をエンドースメント手続の対象として検討を行い、今般、2016年3月9日に開催した第331回企業会計基準委員会において、標記の修正国際基準公開草案第2号「「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の改正案」の公表を承認したので、本日公表した。
【意見募集期限】
 2016年5月31日(意見募集終了)
2016年2月26日 FASB 公表 FASBがASU「リース(Topic842)」を公表 【内容】
 FASBは、2016年2月25日、会計基準更新書(ASU)「リース(Topic842)」を公表した。
【適用時期】
 公開企業には、2018年12月15日後開始する事業年度から適用され、非公開企業には、2019年12月15日後開始する事業年度から適用される。また、すべての企業に早期適用が容認される。
2016年2月26日 金融庁   金融庁が2015年に公表されたIFRSを指定国際会計基準に追加 【内容】
 金融庁は、2016年2月24日、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件(平成21年金融庁告示第69号)」の、一部改正を公表した。
 本改正は、IASBが2015年1月1日から12月31日までに公表した次の国際会計基準を、指定国際会計基準として追加するものである。
・IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(2015年9月11日公表)
・IFRS第10号「連結財務諸表」(2015年12月17日公表)
・IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」(2015年12月17日公表)

 なお、前回公表の指定国際会計基準に、修正基準「IFRS第15号の発効日」(2015年9月11日公表)、及び修正基準「IFRS第10号及びIAS第28号の修正の発効日」(2015年12月17日公表)による変更が加わわった。
【適用時期】
 本改正は、2016年2月24日から適用される。
2016年2月8日 IASB 公表 IASBが「開示に関する取組み(IAS第7号の修正)」を公表 【内容】
 IASBは、2016年1月29日、「開示に関する取組み(IAS第7号の修正)」を公表した。
 本修正は、財務諸表利用者が、財務活動から生じる負債の変動(キャッシュ・フローの変動及び為替差損益などの非資金変動を含む)を評価するのに役立つ開示の提供を企業に求めるものであり、財務報告における開示の有効性の改善を進めるIASBの開示に関する取組みの一部である。
【適用時期】
 2017年1月1日以後に開始する事業年度から適用され、早期適用が認められる。本修正の最初の適用時には、前期の比較情報を提供することは求められない。
2016年1月20日 IASB   IASBが「未実現損失に係る繰延税金資産の認識(IAS第12号の修正)」を公表 【内容】
 IASBは、2016年1月19日、IAS第12号「法人所得税」の修正を公表した。本修正基準は、公正価値で測定される負債性金融商品に係る繰延税金資産の認識を明確化するものであり、実務上の不統一に対処するものである。
【適用時期】
 2017年1月1日以後に開始する事業年度から適用され、早期適用が認められる。
2016年1月14日 IASB 公表 IASBが新基準のIFRS第16号「リース」を公表
【内容】
 IASBは、2016年1月13日、新基準のIFRS第16号「リース」を公表した。本基準は、リースの認識、測定、表示及び開示の原則を規定するものである。
【適用時期】
 2019年1月1日以後に開始する事業年度から適用される。また、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用する企業には、IFRS第16号の適用開始日以前に、早期適用が認められる。
2015年12月21日 IASB   IASBが改訂基準「IFRS第10号及びIAS第28号の修正の発効日」を公表 【内容】
 IASBは、2015年12月17日、投資者とその関連会社又は共同支配企業との間の取引に係る会計処理方法の一部を修正する基準の発効日を延期した。
2015年12月21日 IASB   IASBが、関連会社及び共同支配企業の会計処理の変更を、より広範囲の見直しが完了するまで延期 【内容】
 IASBは、企業が投資者と関連会社又は共同支配企業の間の取引の会計処理方法のいくつかの側面を変更しなければならない日付を延期した。
2015年12月14日 IASB 公開草案 IASBが保険者への一時的救済を設けるための現行の保険契約基準の修正を提案 【内容】
 IASBは、2015年12月9日、現行の保険契約基準IFRS第4号を修正する提案を一般のコメントを求めるため公表した。これは、IFRS第9号「金融商品」と新しい保険契約基準の発効日の相違による一時的な影響に対処するためのものである。
【意見募集期限】
 2016年2月8日(意見募集終了)
2015年11月24日 IASB 公開草案 IASBがIAS第40号の修正案及び年次改善案に関するコメントを募集 【内容】
 IASBは本日、2つの公開草案を一般のコメントを求めるため公表した。1つ目は、投資不動産の基準の狭い範囲の修正案を扱っている。2つ目は、他の3つのIFRSの修正案をIASBの年次改善プロセスの一部として扱っている。
【意見募集期限】
・「投資不動産の振替」(IAS第40号の修正案)…2016年3月18日(意見募集終了)
・「IFRSの年次改善2014-2016年サイクル」…2016年2月27日(意見募集終了)
2015年11月12日 企業会計基準委員会 公表 ASBJショート・ペーパー・シリーズ第2号「概念フレームワークにおける認識規準」の公表 【内容】
 企業会計基準委員会は、IFRSの「概念フレームワーク」における認識規準に関する国際的な議論に寄与するため、ショート・ペーパー・シリーズ第2号「概念フレームワークにおける認識規準」を公表した。
2015年11月9日 IFRS解釈指針委員会 解釈指針案 IFRS解釈指針委員会が2つの新しい解釈指針を提案 【内容】
 IFRS解釈指針委員会(「解釈指針委員会」)は、2015年10月21日、実務における基準の適用方法の不統一に対処することを目的とした2つの基準の解釈指針案を一般のコメントを求めるため公表した。1つは、法人所得税務処理に関する不確実性が法人所得税の会計処理にどのように影響を与えるべきなのかに関するガイダンスを提供するものであり、もう1つは、支払又は受取りが前払いで行われる場合にどの為替レートを使用して外貨建取引を報告すべきなのかを扱うものである。
 解釈指針は、強制力のあるIFRSの要求事項の一部を構成する。それらは、IASBと協力して作業する解釈指針委員会によって、具体的な適用上の論点に関するガイダンスを提供し、IFRSを使用する人々の助けとなり、適用の首尾一貫性を支援するために開発される。
【意見募集期限】 
2016年1月19日(意見募集終了)
2015年11月2日 IASB 公開草案 IASBが重要性の概念を経営者が適用する助けとなるガイダンス案を公表 【内容】
 IASBは、2015年10月28日、情報に重要性があるのかどうかを企業の経営者が決定する助けとするためのガイダンス案を公表した。このガイダンスは、開示を改善するためのIASBのより幅広い取組みの一部である。
 重要性に関するガイダンス案は、2014年にIASBがIAS第1号「財務諸表の表示」について行った修正を補足するものである。当該修正では、関連する情報に重要性がない場合には、企業が基準の中の具体的な開示要求を適用する必要がないことを明確化した。また、具体的な要求事項に準拠するだけでは重要性のある情報を開示する上で不十分となる場合には、企業が追加的な開示を提供するかどうかを検討すべきであることも明示した。
 【意見募集期限】
 2016年2月26日(意見募集終了)
2015年10月27日 IFRS解釈指針委員会 解釈指針案 IFRS解釈指針委員会が2つの新しい解釈指針を提案 【内容】
 IFRS解釈指針委員会は、2015年10月21日、実務における基準の適用方法の不統一に対処することを目的とした2つの基準の解釈指針案を一般のコメントを求めるため公表した。1つは、法人所得税務処理に関する不確実性が法人所得税の会計処理にどのように影響を与えるべきなのかに関するガイダンスを提供するものであり、もう1つは、支払又は受取りが前払いで行われる場合にどの為替レートを使用して外貨建取引を報告すべきなのかを扱うものである。
【意見募集期限】
 2016年1月19日(意見募集終了)
2015年9月24日 企業会計基準委員会   公開草案「財務報告に関する概念フレームワーク」に関する意見の募集:意見募集期限の延長(確定)のお知らせ 【内容】
 IASBは、2015年9月22日のボード会議において、公開草案「財務報告に関する概念フレームワーク」に関するコメント期限を当初より1か月延長し、2015年11月25日までとすることを決定した。これを受け、企業会計基準委員会の本公開草案に関する意見募集期限を、2015年10月26日まで延期した。
2015年9月15日 IASB   IASBが収益基準の正式な修正を公表し発効日の延期を確認 【内容】
 2015年9月11日、IASBは、収益基準であるIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の修正を公表し、2018年までの1年間、発効日を延期することを規定した。本修正「IFRS第15号の発効日」の公表は、発効日を2017年1月1日から2018年1月1日に延期するという2015年7月のIASBの決定を受けて、本基準に関する協議へのフィードバックが検討されたものである。本修正の主な理由は、IASBが現在、本基準の明確化に関するいくつかの提案を協議しているためである。これらの提案は収益に関する移行リソース・グループ(TRG)での議論を受けたものである。この提案されている明確化の協議は2015年10月28日に終了する。IASBは、受領したフィードバックを踏まえた明確化の議論を2015年末までに完了し、その後、本基準の最終的な修正を公表する予定である。
 なお、IFRS適用企業には引き続き、本基準の早期適用が認められる。
2015年9月14日 IASB 公表 IASBが収益基準の正式な修正を公表し、発効日の延期を確認 【内容】
  IASBは、本日、収益の基準であるIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の修正を公表し、正式に発効日を2018年まで1年延期した。
2015年8月21日 IASB 公開草案 公開草案「IFRS第10号及びIAS第28号の修正の発行日」の和訳 【内容】
 IASBは、投資者と関連会社又は共同支配企業の間の取引の会計処理方法のいくつかの側面を変更しなければならない日付を延期する提案を、公開協議のために公表した。
【意見募集期限】 
 2015年10月9日(意見募集終了)
2015年8月17日 IASB 公開草案 IASBが、更に広範なレビューを終えるまで関連会社及び共同支配企業に係る会計基準の変更を延期する公開草案を公表 【改正の内容】
 IASBは、企業と当該企業が投資する関連会社又は共同支配企業との間の取引に係る会計処理方法について、いくつかの側面を変更しなければならない日を延期する提案を公開協議のために公表した。
【意見募集期限】
 2015年10月9日(意見募集終了)
2015年8月5日 IASB   IASBが収益基準の発効日の1年延期を決定 【内容】
 IASBは、収益基準のIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」について、発効日を1年延期し2018年1月1日とすることを決定した。
2015年8月5日 IASB 公開草案 IASBが収益基準を明確化する公開草案を公表 【改正の内容】
  IASBは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」について、いくつかの明確化と移行時の救済措置を提案する公開草案を公表した。
【意見募集期限】
 2015年10月28日(意見募集終了)
2015年6月30日 企業会計基準委員会 公表 「修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)」の公表 【公表の経緯】
 修正国際基準については、「IFRS のエンドースメントに関する作業部会」において2014年7月31日に公表された公開草案に対する意見を含めて検討を重ね、2015 年6月29日に開催された第 314 回企業会計基準委員会において修正国際基準の公表を承認し、2015年6月30日に公表するに至った。
【適用時期】
 修正国際基準は、2016年3月31日以後終了する連結会計年度に係る連結財務諸表から適用することができる。四半期連結財務諸表に関しては、2016年4月1日以後開始する連結会計年度に係る四半期連結財務諸表から修正国際基準を適用することができる。
2015年6月22日 企業会計基準委員会 公開草案 IASBが年金会計について狭い範囲の修正を提案 【内容】
 IASBは、IAS 第19号「従業員給付」及び IFRIC第14号「IAS第19号(確定給付資産の上限、最低積立要件及びそれらの相互関係)」の修正案を公表した。本修正案は、IFRS解釈指針委員会への2件の要望に対応したものである。
【意見募集期限】
 2015年10月19日(意見募集終了)
2015年6月2日 IASB 公開草案 IASBが概念フレームワークを改善する公開草案を公表 【改善内容】
 本公開草案では、概念フレームワークに関して、以下を含む複数の改善を提案している。
・ 適切な測定基礎(歴史的原価、及び公正価値を含む現在価額)及び測定基礎を選択する際に考慮する要素について説明する、測定に関する新しい章
・ 損益計算書は企業業績の主たる情報源であることを確認し、収益と費用を損益計算書外の「その他の包括利益(OCI)」で報告することができる場合のガイダンスを追加
・ 財務諸表の基本構成要素である資産、負債、持分、収益、費用の定義を改良
【意見募集期限】
 2015年10月26日(意見募集終了)
2015年5月28日 IASB   IASBが「中小企業向けIFRS(IFRS for SMEs)」の包括的レビューを完了 【内容】
 今般のレビューによりIFRS for SMEsを修正する必要はほぼないと結論づけたが、改善が必要な分野がいくつか特定された。特に大きな修正は、以下の中小企業に共通する取引に関連するものである。
・ 有形固定資産の再評価を認める
・ 繰延税金の認識と測定の主な規定をIFRSと合わせる
その他の修正は、IFRS for SMEsの基本的な要求事項を修正するものではなく、現行の規定の明確化、もしくは補足ガイダンスの追加である。したがって、今回の修正は、多くの中小企業及び中小企業の財務諸表の利用者にとって、中小企業の財務報告の実務及びその財務諸表に大きな影響を与えるものではなく、現行の規定の理解を改善するものである。
2015年5月21日 IASB 公開草案 IASBが収益基準の発効日を延期する提案についてフィードバックを求める 【内容】
 IASBは、2015年5月19日 、収益の基準であるIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の発効日を2018年1月1日まで1年延期する提案を協議のために公表した。
2015年5月11日 IASB   IASBが金融庁の「IFRS適用レポート」をウェブサイトに紹介 【内容】
 IASBは、金融庁がIFRSの任意適用について調査した「IFRS適用レポート」の英訳を公表したことをウェブサイトで紹介した。日本において2010年からIFRSの任意適用が認められたこと、直近2年間でIFRSを採用する企業数が倍増し、2015年3月時点においてIFRS適用企業(予定を含む)が75社(東京証券取引所の時価総額の18.5%)であることを説明している。さらに、2015年末までにこの数が100を超える(時価総額の20%超)ことが期待されていると記載している。
2015年3月19日 IASB   IFRS財団が、IFRS Taxonomy 2015を公表 【公表の経緯】
 IFRS財団は、IFRSタクソノミの使用と理解に役立つよう開発された複数の資料をIFRS Taxonomy 2015とともに公表している。
2015年2月12日 IASB 公開草案 IASBが負債の分類方法を明確化する公開草案を公表 【修正案の内容】
 本修正案は財務諸表の表示改善のため、負債を流動もしくは非流動に分類する際の要件を下記のようにしている。
(1)負債の流動もしくは非流動への分類は、企業が報告期間末日に有する権利に基づくこと
(2)負債の決済と企業からの資源の流出との関連付け
【意見募集期限】
 2015年6月10日(意見募集終了)